くしゃみの先にあったもの─宇宙のがん闘病記

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 くしゃみのたびに飛び散る小さな鼻水―「花粉症かな」と笑っていた黒柴・宇宙(そら)に、想像もしなかった“がん”という診断が下りました。
 あと数日で9歳。まだまだ元気でいてほしいから、私たちは手術と放射線治療に立ち向かうことを決めました。

 このブログでは、発見までの経緯から治療の選択、そして家族みんなで支える日々を綴っていきます。
 同じ病気に向き合う飼い主さんや、宇宙を見守ってくださる方々と一緒に、一歩ずつ前を向くための記録です。

最初の違和感

 黒柴の宇宙(そら)は、昨年の秋ごろから“逆しゃっくり”が出たり、鼻水が止まらなくなったりし、固まった鼻水がカピカピになって鼻先にこびり付くことが目立つようになりました。

 散歩に出る前にもくしゃみをしていたため、「アレルギーかなぁ?犬でも花粉症になるのかな?」と軽く考えていました。
 動物病院にも症状を伝えていましたが、「季節性かもしれない」とのことで、しばらく様子を見ることにしていました。

急な悪化と精密検査の決断(2025年5月11日)

 2か月前ぐらいからくしゃみの勢いが増し、ある日、飛び散った鼻汁にうっすら血が混じっていたため、慌ててかかりつけの動物病院へ向かいました。

鼻水に混じった血

 病院ではレントゲンを 3 枚撮影。鼻水が出ている側の鼻腔がかすかに白く写っていましたが、レントゲンだけでははっきり断定できず、詳しく調べるには CT 検査と生検 が必要との説明を受けました。

 そらうみパパとママは「もう様子見の段階ではない」と判断し、原因を突き止めるため CT 検査を決意しました。
 しかし、かかりつけの病院には CT 装置がないため、設備のある別の動物病院を紹介してもらうことになりました。

CT検査と生検(2025年5月31日)

 紹介を受けた遠方の動物病院へ宇宙を連れて行きました。
 初診だったため、まず血液検査とレントゲンを実施しましたが、いずれも大きな異常は見当たりませんでした。

 このあと全身麻酔下で CT 検査を行うため、宇宙を病院に預けていったん帰宅しました。

 夕方、麻酔から醒めた宇宙を迎えに再び病院へ向かいました。宇宙にとっては生まれて初めての麻酔でしたが、幸い大きなトラブルはなく一安心。

 CT 撮影と同時に鼻腔から採取した組織は生検に回されましたが、CT 画像は当日中に確認できました。
 やはり鼻の内部に異物が写り込み、腫瘍の可能性が高いとの説明を受けました。生検結果は、後日かかりつけ病院へ送られることになりました。

 ちなみに点滴の際、看護師さんが片方の前脚で失敗してしまい、結局両前脚とも毛を刈られてしまいました。
 翌日になってもボヤッとして本調子でない様子ですが、ご飯はしっかり食べました。
元々ボヤッとした子ではありますが・・・w

検査結果と診断(2025年6月11日)

 それから 10 日ほど経って、かかりつけの動物病院の先生から電話がありました。
 告げられたのは―がん。正式には「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」といい、鼻や口腔にできることが多い癌だそうです。

扁平上皮癌の説明、治療方針

 翌日あらためて病院で受診し、治療方針を相談しました。

  • 扁平上皮癌は局所浸潤性(侵襲性)が強く、周囲組織を破壊しながら進行する。
  • 早期に摘出しないと骨の破壊が進行し、眼球周囲への浸潤や、最終的には脳への影響、肺転移など遠隔転移の可能性もある。
  • 腫瘍の浸潤性が強く、骨組織を溶かして拡大する傾向があるため、早期の介入が重要である。
  • 放射線療法と連携した治療が必要。外科手術単独ではなく、術後の放射線治療を併用する方がより良いとされている。

 まずは 手術 で取り除ける腫瘍をできる限り切除し、その後 放射線治療で残存がん細胞を叩いて再発を防ぐ、という流れになります。
 転移や再発を繰り返しやすいタイプの癌なので、放射線もやった方が良いとのことでした。

 内視鏡手術を想像していましたが、実際には 額から鼻にかけて切開し、鼻骨を開いて摘出する本格的な外科手術だと聞き、正直驚きました。
 進行が速い癌のため、手術日は 6 月 19 日(木) に決定しました。
 執刀は信頼している院長先生が担当してくださるので、その点は心強いです。

病理検査結果報告書

 病理検査のコメントを読むと外科手術のみの治療が施された犬の余命は3〜6か月で手術しなかった場合とあまりかわらないようです。
 放射線治療をした犬では、無病生存期間が13.5か月、また1年生存率も51%あるそうです。

しかし、宇宙は奇跡を起こすと信じています。

鼻血(2025年6月16日)

 朝の散歩で写真を撮影したら宇宙くんの鼻の下が赤いことに気がついた。
鼻血だ。

 これまでは鼻水に混じって薄いピンク色しかみたことがなかったので、こんなに濃く赤い血ははじめてでびっくり。 

 慌ててウエットテッシュで拭いてみると、流れ続ける様子はないので、生検で細胞を採取したところから出血しているのかなぁ。

 生検の採取部位は 1~2 週間ほどで粘膜が再生しますが、その間にくしゃみをしたり鼻をこすったりすると、一時的に真っ赤な血がにじむことがあるそうなので、落ち着いて様子を見守れば大丈夫そうです。

ちょっと早い誕生日(2025年6月17日)

6月20日生まれの宇宙くんの少し早い誕生日会をしました。

19日が手術なので、18日から入院。
帰ってきたら退院祝いもしようね。
頑張ろうね。

入院(2025年6月18日)

大高緑地公園お散歩

宇宙くん入院前に大高緑地公園をお散歩。
緑いっぱいで気持ちいいね。

入院しました

明日腫瘍の摘出手術のため宇宙くん入院
3泊4日の予定です。

終わりに

 宇宙にとって、つらい治療になるのは間違いありませんが、あと数日で 9 歳―まだ諦めるには早すぎます。
 碧海とパパ・ママ、家族みんなで宇宙を支えながら 前に進むつもりです。どうかこれからも温かい応援をよろしくお願いいたします。

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↓手術後の様子はこちらから

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